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■「浪漫維新」のはじまり


2016年1月30日。東京・下北沢。
SANABAGUN.、THE THROTTLEの高岩遼が率いる第3のチーム"SWINGERZ"が旗揚げ公演を行った。SANABAGUN.、THE THROTTLEらのメンバーや、映像作家を擁するこのチームは"浪漫維新"を掲げ、東京に新たなムーブメントを起こそうとしている。
2015年、突如としてSNS上に姿を現し、謎の存在として活動していたSWINGERZがついに、大衆の前に姿を表す。彼らは一体何者なのか、何を目論んでいるのか、ミュージシャンが多く集うのに何故最初の活動が"演劇"なのか、独占潜入レポートをお届けしたい。
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上演前の劇場はいつもと景色も空気も変わっていた。
ステージの前方には椅子が30個ほど並べられている。その後ろに椅子に座れなかった人たちが立ち並ぶ。結構な人数が、いつものライブハウスとは違う佇まいに期待と不安を滲ませている。何が起こるのか誰も何も知らない。演劇をやるようだが果たしてそれがどういうものなのか。ちょっと異質な緊張感を破るかのように照明が落とされると、客席のドアを開いてSWINGERZの面々が登場。ステージへ歩み寄り一列に並んで顔見世をした。

SWINGERZ代表の高岩遼が口を開く。
「一歩外出て街を見渡せば、くだらねえアホ面こいたバカばっかで、だからジジババにこの世代がなめられるんだろ。こいつはほおっちゃおけねえ。日本男児汚すわけにはいかねえ。まずは自身から気合を入れていく。そういう思想の下、俺たちはこの青い旭日旗を掲げて集まった」

顔見せのあとはいよいよ本編だ。事前に「桃太郎」と「シンデレラ」と演目は出ていたが、まずは「桃太郎」からスタートした。


《桃太郎》
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桃太郎:高岩遼 (SANABAGUN. / The Throttle)
犬  :山田健人 (映像作家)
猿  :田上良地 (The Throttle)
キジ :高橋紘一 (SANABAGUN.)
鬼1 :工藤わたる (THE NUGGETS)
鬼2 :谷本弾
鬼3 :橋詰大智 (Jazz Drummer)


(あらすじ)
桃太郎が鬼を制圧し世の中には平和が訪れた・・・わけではなかった。ひとつの争いがおさまれば、また別の諍いの種が芽吹く。桃太郎に毒入りのきび団子を食べさせたのは誰なのか。桃太郎の後釜を狙う犬・猿・きじか、それとも虐げられている恨みを抱えた鬼の犯行か。本当に悪い奴はどこにいるのか。

『桃太郎』では、誰もが知っているストーリーの後日談を、まさかのサスペンス劇に仕上げた。桃太郎を殺したのは誰なのか、誰もが疑心暗鬼になる中始まる犯人探し。SWINGERZらしいユーモアをちりばめながら、実は桃太郎は生きていた!?いや、殺人未遂だった!?そして犯人の正体はまさかの…!?といったどんでん返しの連続で、観客をSWINGERZワールドへ巻き込んだ。


《シンデレラ》
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湘南王子    :熊田州吾 (The Throttle / キリマンジャロピーナッツ)
ひげ王子    :谷本大河 (SANABAGUN.)
じょんがら節王子:向後寛隆 (The Throttle)
チャーリー王子 :高岩遼 (SANABAGUN. / The Throttle)
ジェームス王子 :隅垣元佐 (SANABAGUN.)
シンデレラ   :成田アリサ (The Throttle)


(あらすじ)
美しい姫が残したのは片方の靴を巡り、王子たちが集まりなにやら揉めている。「誰がみんなの憧れの姫に求婚できる権利を持つか」その栄誉を賭けて王子たちが、それぞれいかに自分が姫に相応しいのか自己アピール合戦がはじまった。果たして勝利の女神は、いや姫は誰に微笑むのだろうか。そして姫は一体誰なのだろうか。

『シンデレラ』ではストーリーよりも「演者がそこで自分をどうアピールするか」という自己演出というテーマについて取り組んでいた。
例えば、高岩扮する"チャーリー王子"は船木一夫の歌を歌い、向後扮する"じょんがら王子"はハイパーヨーヨーの高度なトリックを披露。実際に各々が考えたという自己アピール部分を含め、観客巻き込み型のエンターテイメントショーとして仕上げていた。

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演劇経験皆無な、いちミュージシャン達が本気で打ち込んだ芝居。普段からステージに立っているだけあって、その立ち振る舞いは堂々たるものだった。最後までその一部始終を目撃した客を魅了し続けた。

とは言え、"浪漫維新"を掲げ、日本に"ムーブメント"を起こそうとしている彼らが、なぜ演劇という形を選んだのか。"ムーブメント"というものは、そう生半可なコンテンツでは起こせないはずだ。
高岩は舞台前に「(演劇は)表現活動のひとつで、別にこれだけにこだわっていくつもりはないんです。」と語っていた。今後は月イチでメンバー個別に焦点を当てて作られる5分間の映像作品"FIVE MINUTES MORE" 、トーク番組『浪漫維新』のUSTREAM生配信、またはフリーペーパーの発行なども予定しているという。

ミュージシャン達の音楽という枠だけに留まらない表現活動。未知なる領域に踏み込んでいくだけに、その可能性も未知数だ。
楽器を置き、1人の人間として"浪漫"を提示する。そんな彼らの魅力に人々が気付くか否か。

"浪漫維新"ははじまったばかりだ。

SWINGERZ アー写

all photo by 青山翔一(SWINGERZ)



■SWINGERZ(スウィンガーズ)
2015年7月発足。思想やファッション、言動まで、忘れちゃいけない男のロマンを具現化・再提示するため、高岩遼率いる総勢13人の若手ミュージシャン、若手クリエイターを束ねた大連合。''浪漫維新''を掲げ、東京を中心にムーブメントを目論む。

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