2015年も残すところ、あとわずか。
今年はリスナーとしてはすごく豊作な年だった。
良い盤もたくさんあり、絞るのに大変な苦労があったが、以下の10枚を年間ベストとして挙げたいと思う。


10. GOMESS / し

し

今年の3月にリリースされたラッパー:GOMESSの2nd album。
1stの頃のHIPHOPの手法から距離を置き、多くの女性シンガーとの客演や、中原中也の詩の朗読、アカペラの曲など、新たな試みも数多くなされていて、HIPHOPの枠組みに囚われないキャッチーな作品に仕上がった。
だが、曲の内容は重く、衝撃的な独白のリード曲『LIFE』や自殺がテーマの『し』など、正直聴くこと自体に非常にパワーを使う。そのキャッチーなのに重いという妙なアンバランスさも含めて面白かった。
この先、GOMESSがどのような方向へ進んでいくのかという余白も感じさせられ、早くも次の作品が楽しみ。



9. the band apart / 謎のオープンワールド

謎のオープンワールド

複雑に絡み合うバンドアンサブルでグルーヴを作り出していく、ご存知the band apart(通称バンアパ)の最新作。
僕の肌感覚だと、2012年頃に全曲日本語詞に振り切った辺りからファンが離れていってしまった節があるのだけれど、この作品を聴いて戻ってきてほしいと願わんばかりの快作。
冒頭の『笑うDJ』の疾走感なんかは1stの頃を思わせるし、M-6『禁断の宮殿』なんかもカッティングギターが心地よく、非常にグルービー。
日本語詞の歌も板についてきて、今のバンアパのバンド状態すごくいいんじゃないかと思います!
(まだこのアルバム出てからのライブに行けてないので早く観たい!)




8. never young beach / YASHINOKI HOUSE
YASHINOKI HOUSE

2015年東京インディーシーン(いわゆるCITY POPブーム)の一角を担ったnever young beach。
ネバヤンはCITY POPというよりフォークやサイケデリックの影響を感じたりもするのだが、「YASHINOKI HOUSE」というだけあって、ところどころに南の国を感じさせるフレーズが光り、そこがまた他のバンドにはない風通しの良さを感じさせていいなぁ〜なんて。(この音楽性でトリプルギターってのも面白い。)
けだるいテンションで、ごく日常の風景を歌う安倍の世界観もまたnever young beachの気持ち良さの一つ。何気ない昼下がりなんかに、部屋でビールでも飲みながら聴いてみてほしい。最高だから。




7. Base Ball Bear / C2

C2

ベボベといえば、日本の人気ロックバンド。
で、僕はいわゆる「日本のロックバンド」みたいのはそんなに趣味じゃなくて、映画『リンダリンダリンダ』とかメジャー1st album『C』とかで周りが騒ぎ出した時もそんなに食指が動かなかったんですね。(一応聴いたけど。)
で、2015年。ベボベの3部作第1弾シングル『「それって、for 誰?」part.1』を聴いてビックリ!
AORやファンクなどを柔軟に取り入れ「ベボベってこんなこんなバンドだったっけ!?」って言いたくなるほどのカッコ良い仕上がり!その後、第2弾シングル『文化祭の夜』、第3弾シングル『不思議な夜』もその路線は貫かれ、それが結実した今作は見事なアルバムとしか言いようがありませんでした!
もちろん今までのベボベらしい曲も収録されていますが、僕は今の方向性は大歓迎ッス!!
早くライブで聴いて踊りたい!




6. SANABAGUN. / メジャー

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生HIPHOPバンド SANABAGUN.のメジャー1stアルバム。
でも、この作品に対しては正当な評価が出来ない気がする。
というのも僕は熱狂的なSNB.フリークであり、新譜の発売前に収録曲のあらかたはライブで馴染みの曲になっていたからだ。それでもM1.『カネー』M2.『JSP』などは初聴であり、その重厚なオープニング感には非常に心が躍ったし、M6.『居酒屋JAZZ』などの(僕には)馴染みの曲も改めて聴くとカッコよく、クスッとする面白さもある。そしてMC:岩間俊樹のリリックもインディーの頃よりもメッセージ性が増し、聴き応えが増した。
今年大変お世話になったアルバムの1枚。




5. UNCHAIN / 10fold

10fold

いつも年間ベスト記事を書いてると『ベストアルバム』を入れていいのか問題が頭をよぎる。
デビューから10年。ひたむきにブラックミュージックを追求してきたバンドUNCHAINの、このリメイクベスト盤もランキングに入れていいのか迷った。
でも、全曲リアレンジ+LAレコーディング+2014年グラミー賞に輝いた日本人エンジニアSadaharu Yagiの手腕+今のUNCHAINのグルーヴで鳴らされる既存曲は、今までとまったく別物といえるくらいカッコよくなっているし、最新の新曲2曲もめっちゃ好きですごく聴き倒していた1枚。
やっぱりボーカル谷川の歌は、バンド界隈ではトップクラス級にソウルフルなモノだと思っているし、演奏だってバリクソ上手いし、今の位置にいつまでも留まっているバンドじゃないと思う。
ベストアルバム的な位置づけもあり、UNCHAINをまだ知らない層に強く推したい1枚。
本当にSuchmosとかに騒いでる人達、聴いてくれ。




4. 星野源 / YELLOW DANGER
yellow_dancer

ベボベ同様、やっぱり今まで星野源の作品はそんなに聴き込んでこなかったんだけれども、ブラックミュージックの要素を大胆に取り込んだ作品になった途端、大好きになったという事案。(わかりやすいな俺。)
でもこの作品、今までの星野源ファンの一部からの評判はそんなに良くないみたいですね。曰く「こんな明るい星野源は星野源じゃない!」とか。確かに今までの星野源の消え入りそうな弾き語りの感じとかと比べたら「明」と「暗」くらい違いますが、ファルセットを多用したボーカルや様々な音楽を取り込んだトラック群は星野源の新たな扉を開き、掴みかけている「国民的POPスター」の地位を確固たるものにする決定打となる作品ではないでしょうか。
世代、音楽的趣味を超え、幅広い人に勧めたい1枚!




3. cero / Obscure Ride

cero

もはや『Yellow Magus』『Orphans』がシングル出された時点で勝利を確信、アルバムリード曲の『Summer Soul』が公開された瞬間、優勝でしたね。それくらい素晴らしい作品。
もちろん素晴らしいのは挙げた3曲だけではなくて、全体を通してSoul / Jazzの影響が色濃く出ていて、それを高木さんのボーカルがキャッチーにまとめあげている点ですね。そしてアガりすぎず、サガりすぎず、R&Bの持つクールさ、カッコよさを最後まで保っている。だから聴きやすいし、飽きがこない。
この先何年も聴いていきたい。




2. Suchmos / THE BAY
THE BAY

レペゼン横浜 / 茅ヶ崎のスケーター仲間から成り立ったSuchmos、やってくれました。
傑 作 !!でしょう!!
ソウル / ファンク / フュージョン / アシッドジャズ / ヒップホップなどを吸収し、今の感覚で鳴らした今作は、古き良きブラックミュージックを聴いていた30OVERな世代〜メンバーと同世代の若者まで幅広い層を唸らせる力作に。YONCEのスウィートなボーカルと、DJとギターを新メンバーとして迎え、6人体制となったSuchmosの音が炸裂!更に親交の深いラッパー:呂布までも客演に迎え、作品に華を添えています。1st albumにしてこんな傑作を作り上げるなんて、この先が怖い!




1. MONOEYES / A Mirage In The Sun
a mirage

こんだけブラックミュージック系に傾倒したランキングの最後がメロコアっていうね。
でも、言っておきたい。

すまん!やっぱり俺は細美武士の作る磁場から抜け出せそうにないっす!

「やっぱELLEGARDENとは違う。」「the HIATUSのほうがサウンド的に面白い。」とか言っておきながら、やっぱり彼のメロディーセンス、ボーカル、詞の世界観にやられてしまうんだ!
イケイケのとき、ヘコんでるとき、勇気の必要なとき、この先の人生について考えているとき…etc そんなときにスッと寄り添ってくれる曲が全てこのアルバムには詰まっている。
この先の人生も今作にケツを蹴り上げられながら生きていく気がします。
気付けば今年一番再生してました!!やっぱ細美さん、すげぇっす!!!

※作品補足情報
ELLEGARDEN / the HIATUSのVo. / Gt.の細美武士が始動させた第3のバンドの1stアルバム。
「the HIATUSが懐石料理屋なら、MONOEYESはラーメン屋」とインタビューで語っているように、小難しいことは一切ナシ!なストレートなロックアルバム。 一瀬正和(ドラムス) スコット・マーフィー(ベース、コーラス) 戸高賢史(ギター)と、メンバーも超強力。

 

 

そんな感じで以上、ヤットの年間ベスト10でした。
2015年の感想としては、やっぱりバンドがすごく面白い年だった。良いバンドが次々と現れてチェックするのが大変なくらいでした。(そんなときサブスクがすごく助けてくれました。ありがたい。)
その代わりアイドルの摂取量が減ってしまった。もうすこし面白いの見つけれるようにアンテナ張っていきたい。
それからHIPHOPシーンが、今、若い芽がどんどん開花していくのではないか…?というような感覚があるので、そっちにもアンテナを張っていきたい。
それから…それから…それから…

なんて書いていると、すごく時間の奪い合いだなぁなんて思う。

とりあえず昔から変わらず、自分の感覚で転がり続けていく。
今、目の前にある、面白いものが全て。
そんな感じで2016年も過ごそうと思う。 

良いお年を!

(文:ヤット)