■「起こるんじゃねぇの?革命!」誰もが予感した伝説の夜を超ロングレポート!
革命

10月26日(月)。
この日、ついにあの3バンドが揃った。
高岩遼率いるロックンロールバンド"The Throttle"、今、最注目バンドとの呼び声も高い"Suchmos"、そして高岩やSuchmosのメンバーも所属する生ヒップホップバンド"SANABAGUN."。この3バンドが集い、「革命」を掲げたことは深い意味がある。







この一大イベントにチケットは見事ソールドアウト。
会場に入る前からも異様な期待感が満ち溢れていた。

10/26(月)
The Throttle 「1st ALBUM『GREATEST HITS』Premium Release Party ~革命~」@渋谷WWW

【出演】
The Throttle
Suchmos
岩間俊樹 from SANABAGUN.


岩間俊樹


一番手に登場したのはSANABAGUN.のMC岩間俊樹。
DJにTakuma(eimie)を引き連れ、今年フリーダウンロードでリリースしたソロアルバム(※1)の1曲目にも収録さている『Connection』、そしてこの日がリリースとなった会場限定盤の中から『革命』を立て続けに披露。「俺が初めてライムした10年前から / とっくに始まっていた革命」と己の矜持の弾丸を次々と客席に撃ち込んでいく。

「知らない人ははじめまして。SANABAGUN.のMCの岩間俊樹です。」
そう短く挨拶すると、続く『ゆとり』ではSANABAGUN.の谷本大河(SAX.)をゲストに迎え、彼の美しいソプラノサックスのソロと共に会場を沸かせた。

「せっかくなんで、SANABAGUN.のインディーズ時代のアルバムに入ってる曲からソロ曲を……でも一緒にやろうって言ってる人が来ないんですよね…まぁいいか。」そう言うとSANABAGUN.の人気ナンバー『大渋滞』を披露。その盛り上がりの最中、澤村一平(Dr. from SANABAGUN.)がひょっこり登場。

岩間「お前、なにしてたの?一緒にやろうって言ってた曲終わったよ?」
澤村「すいません…リハ終わって、漫喫行って、漫画読んでたらウトウトしてました。」
岩間「お前、どう落とし前付けるの?」
澤村「ドラム叩くので許してください。」

なんて茶番劇(笑)もあり、澤村一平、谷本大河、TAKUMAによるスペシャルセッションが実現。
「SANABAGUN.の岩間 / SANABAGUN.じゃない 今は」なんてラインも飛び出し、大いに盛り上がった。
そのまま4人体制で『Simple』『Replay』を披露。
切ないトラックに澤村、谷本のプレイが加わることでより情緒ある音景となっていった。

ラストはソロに戻り、「ラップっていうのは、例え石ころでもラップすれば金になるんですよ!」と高らかに歌った『JUST A STONE』、「夢ある奴は全員手を挙げてくれ!」との声に会場中の手が挙がった『夢の最中』で会場を沸かせた。

ステージ去り際「こんな感じでいいか、遼!」と投げかけると、岩間の目線の先には高岩が満面の笑みで丸印を作っていた。

セットリスト
01.Connection
02.革命
03.ゆとり feat.谷本大河
04.大渋滞 feat.谷本大河
05.スペシャルセッション feat.谷本大河,澤村一平
06.Simple feat.谷本大河,澤村一平
07.Replay feat.谷本大河,澤村一平
08.JUST A STONE
09.夢の最中

Suchmos

「神奈川県の海沿いから来ましたSuchmosです。」
波のSEと共に登場したSuchmosはゆったりと『Pacific』からスタート。YONCE(Vo.)は「波に乗って行こうぜ。」と投げかけ、体を揺らしていく。
そのままインストの新曲『S.G.S.2』を挟み、『YMM』でグッとギアを入れて会場をダンスホールへと変えてみせた。

YONCE「今日は『革命』なんて言うから釘バット持った人とか来てるのかと思ったけど、よかった(笑)普通の音楽のイベントです(笑)」なんて挨拶しつつ、新曲を2曲続けて披露。「ブランド来てる奴 もうGood Night / 広くて浅い奴もう Good Night」と歌うライブではお馴染みの『Stay tune』、妖艶な空気を醸し出した全英詞のけだるいダブナンバー『Face』の2曲ともに、Suchmosの新しい扉を叩いたような印象があった。

新曲を演り終わった後、「ちょっと一言言っていい?」とHSU(ba.)がマイクをとった。
「俺はSuchmosとSANABAGUN.の2バンドやってて、仲良いバンドいっぱいいるけど、本当に兄弟だと思ってんのは今日のメンツだけだから。」「The Throttleは今日のイベント全部自主でやってんのよ。それでこんだけパンパンに埋めて、本当に尊敬してる。」
最後には少し照れくさそうな表情を見せていたが、今日のイベントにかける想いが伝わり、会場の空気が変わるのを感じた。

最後は代表曲『Miree』と新曲『BODY』で締め。
7曲中4曲が新曲というセットリストにSuchmosなりの"革命"の意思を感じた。

セットリスト
01.Pacific
02.S.G.S.2(新曲)
03.YMM
04.Stay tune(新曲)
05.Face(新曲)
06.Miree
07.BODY(新曲)

the throttle

いよいよThe Throttleの登場だ。
スクリーンに代表曲『ROYAL HOST ROCK』のPVが流れると、それと同じくしてステージ上に王冠の男とメンバーが登場。そしてPV同様に『ROYAL HOST ROCK』を演るというなんともリリースパーティーらしい演出!続く定番曲『ハニーサックル・ローズ』『ヘイ・娑婆・ロックンロール』ではフロアを加熱させ、モッシュまで引き起こっていた。

突然、フロアが暗転し、成田アリサ(Dr.)がマーチを叩き出す。
暗闇の中、ライブ前恒例の『Ideologie』を語り出し、高岩が「革命!」と吼えるとスクリーンには赤々とした革命の二文字が。そしてステージにはなんと5人目のメンバー:向後寛隆(Gt.)が登場。The Throttleに電撃加入を発表した。その向後を加えた5人で改めて『ROYAL HOST ROCK』を鳴らす。ギターが2本になった分、音の豊かさが断然違う。これまでも何度もステージを共にしてきた彼らだが、ここに来てこんなビッグサプライズがあるとは。

その後、熊田(Vo. / Gt.)、田上(Vo. / Ba.)がそれぞれメインボーカルをとる『俺のマイマシンで行こう』『なんなんだ!』で盛り上げ、最後は高岩遼によるスローナンバー『Her Mam Said』で落とすという完璧な流れ。The Throttleの持ち味である三者三様のボーカルが存分に発揮された。そして最後は3人でメインボーカルをとる『Yes, Indeed !!!』。JAZZを基調にしながら「まさか、これは浮気?」とコミカルに歌う様はミュージカルのラストシーンを観ているかのような華やかさと楽しさがあった。そんな余韻を残しながら早々に立ち去るメンバー。会場からは自然とアンコールを求める手拍子が沸き起こる。


アンコールに登場した高岩は胸の内を明かした。
「東京でも何万というバンドの中から抜け出すにはどうする。サラリーマンをしながら、コツコツとファンを増やし、遠い武道館を目指すのか。はたまた、大人たちとシェイクハンドを交わし、数年先のドームを目指すのか。俺たちはどうする。答えは後者だ。しかし、俺たちThe Throttleはすぐ近くにチャンスがあるのに、届かない。」
「今日、Suchmosのファン、SANABAGUN.のファン、たくさんいるかもしれない。Suchmos、SANABAGUN.、俺たちは兄弟だ。そいつらの為なら死ねるんだ。そういう奴らが集まっている。どうか俺たちに投資してくれ。」

そう投げかけるとThe Throttleでは定番のカヴァー曲『My Bonnie』『Twenty Flight Rock』を披露。熱いロックンロール愛を魅せつけた。アンコールラストには「山田〜!」「タケスィ〜!」の珍妙なコール&レスポンスが楽しい『山田タケシ』をチョイス。曲の最後には倍速で演奏し、大きな歓声を浴びながら嵐のように去っていった。


Wアンコールではステージセットが変更され、舞台には隅垣元佐(Gt. from SANABAGUN.)の姿が。
SANABAGUN.の時とは打って変わった爆音ギターソロを弾き出すと、そのままThe Throttleのメンバーとパンキッシュな『Roll over the beethoven』をカヴァー。会場後方には高岩が登場し、バーによじ登ったりしながら場内を練り歩く姿に客席は大興奮。そんな中、SANABAGUN.から高橋紘一(Tp.)と谷本大河(Sax.)が呼び込まれ、より華やかになった『Road Runner』を投下。更なる熱狂の渦へと巻き込んでいった。

「起こるんじゃねぇの?革命!」
高岩の投げかけに渋谷WWWに駆けつけた550人が大歓声で応える。
ここにいる誰もが"それ"を確信した顔をしていた。

オーラスはSuchmos、SANABAGUN.、そして高岩の謎の演劇集団SWINGARZまでも呼び込んで、ロックンロール・スタンダード『Johnny B.Goode』をカヴァー。途中には高岩、YONCEまでもがギター弾き出すなんてこともありながら大円団!仲間への想い、音楽への想いが溢れた素晴らしい夜だった。

セットリスト
01.ROYAL HOST ROCK
02.ハニーサックル・ローズ
03.ヘイ・娑婆・ロックンロール
04.ROYAL HOST ROCK feat.向後寛隆(以降全曲参加)
05.俺のマイマシンで行こう
06.なんなんだ!
07.Her Mam Said
08.Yes, Indeed !!!

アンコール
EN1.My Bonnie(cover)
EN2.Twenty Flight Rock(cover)
EN3.山田タケシ

Wアンコール
EN4.Roll over the beethoven(cover) feat.隅垣元佐
EN5.Road Runner feat.隅垣元佐,高橋紘一,谷本大河
EN6.Johnny B.Goode(cover) feat.Suchmos,SANABAGUN.,SWINGARZ


写真がたくさん載ったナタリーさんのライブレポートはこちら。




この3バンドならきっと音楽シーンにでっかい石碑を残してくれるんじゃないか。
そう期待せずにいられない。



■The Throttle オフィシャルTwitter
https://twitter.com/69thethrottle

■Suchmos オフィシャルサイト
http://www.suchmos.com/

■岩間俊樹 フリーダウンロードアルバム『JUST A STONE』(※1)
https://iwama-toshiki24.bandcamp.com/album/just-a-stone

(文:ヤット)