■日常生活の先のステージへ

 lyrical schoolの5周年記念ライブは青山CAYで行われた。正直、7月にワンマンライブをZeepダイバーシティで行ったグループなのだからもっと大きなハコでもよかったのでは…?と思わなくもなかったが(そして実際ライブ中に、この子達にはこのステージ狭い!もったいない!!とも思ったが)、メンバーそれぞれのソロ仕事やmeiの喉の手術なども考慮しての選択だったのかもしれない。事実グループ自体でも約ひと月近く空いてのステージとなった。熱心なファンにとっても久し振りのリリスクのステージ、そして5周年という節目のライブに期待せずにはいられなかった。

 いつもステージ裏でしている円陣をこの日はステージ上で組んだ。待ちきれない観客の歓声で何を言っているのかはわからないが、meiがいつもより長くメンバーに語りかけているのが薄幕の影から見えた。

 久し振りのライブは最高だった!と言いたいところだが、正直そう言いきれるステージではなかった。けしてつまらないわけではないし、メンバーも気合が入っていないというわけではない。いやむしろ気合は入っていたと思う。が、ところどころに「かみ合わなさ」「もどかしさ」を感じてしまった。久し振りの全員揃ったライブだったからなのか理由はわからないが、あれがベストなのか?といわれると首は縦に振れない。
 いや充分に楽しいステージだった。それは間違いない。ただどうしてももっとこの子達の《最高》を知っているので「いやいや」と思ってしまう。こんなもんじゃないでしょうと期待を込めてみてしまう。そういう意味では公平なきもちで見ることが出来ていないのは申し訳ないなと思う。
 テンションが上がらないひとつの原因にやはりステージの広さがあった。わかってはいたけれどこのステージはもうこの6人には狭い。ただでさえリリスクはステージ上にDJブースを置くので、使える範囲がますます狭くなる。着実に大きなステージを踏んでステップアップしているリリスクには、どうしてもメンバー同士ぶつからないように遠慮してしまう空気が拭えなかった。
 それでもいつもの調子が戻らなくても自己紹介がずれてしまっても、慌てないで笑って受け流すことが出来る空気を作れるのはとてもよいと感じた。笑ってごまかすのではない、空気を壊さないようにずれを最小限にとどめてペースを持ち直そうとする。そこに今までの積み重ね、沢山のステージを踏んできた経験の一端が見えている。彼女たちが積み重ねてきた時間の長さを改めて思った。経験は尊い。

 一旦MCを挟んで、ロングバースにメンバーの個性が載る「まちがう」続く「Akikaze」「Sing,Sing」と季節の移ろいを示すようにグループのいろいろな側面を刻んでいく。Zeepダイバーシティでも感じたが「Sing,Sing」のどことなくホーリーなイメージが浮かぶメンバーの表現力は印象深い。中でもhinaの「こだまする最終電車のベルでも乗りたくないんだよ変だよね」の大人びた表情に思わず(小松…大人になんかなるな)とこぶしを握ってしまった。


 セットリストを改めて眺めてみると、tengal6~現行体制まで、バランスよく選曲されているのを感じる。

01.プチャヘンザ!
02.おいでよ
03.リボンをきゅっと
04.PARADE
05.レインボーディスコ
06.brand new day

07.まちがう
08.Akikaze
09.SingSing
10.もし
11.ルービックキューブ
12.tengai6

13.MaybeLove
14.OMG
15.I.D.O.L.R.A.P
16.FRESH!!!
17.photograph

EN1.ワンダーグラウンド
EN2.そりゃ夏だ!

 個人個人を丁寧に見ていくと、舞台の成果なのか発声が変わったyumiに重心が上がり姿勢がますます美しくなったayaka。喉の治療を経て歌うことが楽しいという表情を隠せないmei。hinaは終始いたずらな笑みを浮かべて誰よりも高く脚を上げ、amiは2曲目くらいから汗が舞うほどキレた動きを見せ、minanは流すような視線ではなく客席の一人ひとりを射るように見つめて嬉しさをあらわしていた。

 トータルで見れば、良くも悪くも「いつも通り」の楽しさだったなと率直に思う。でも「いつも通り」の楽しさを紡げることはけして悪いことではない。
 
 ライブの後にyumiがツイートしたこの言葉にはっとした。
 -----------------------------------------------------------
『リリカルスクール5周年ライブでした(o・・o)/~祝って下さったみなさんスタッフさんありがとう
変な意味じゃなく、こういう大事な日(正確には明日だけど)に派手じゃないワンマンできるのってすごく幸せだなって思った(*´ `*)』
 -----------------------------------------------------------
女の子の日常にそっと寄り添うような曲を唄うリリスクに、良い意味で肩の力が抜けて生活の一部のようにステージを踏めるのはよいことなのかもしれない。それは誰にでもできることではないのだから。

 このひと月ほどそれぞれソロ仕事を通じてリリスクに持ち帰るものがあったと思う。ライブがしたいなという、歌う場所がないことについての焦燥感を持つこともあっただろう。たまにはそういう隙間時間ををもつことは、矢継ぎ早にステージを踏むことを求められるアイドルに必要なのかもしれない。
 それがステージで遺憾なく発揮される日を待ちたい。


 このあたりまで書いて寝かしていたところhina卒業の報せが入り、突然すぎてきもちが追いつかないまま今日に至ってしまった。
 
 5周年のステージでmeiは「photograph」の感想部分に入れるRAPでこう綴った。
-----------------------------------------------------------
あの日差し出した手
気づいてたよ はじまりだって
一度きりの人生
選んだこの世界
ちょっと振り返る
でもDon't Stop 次が待ってる
扉開け向かう新たなステージへ
まだまだいくよ じゃ 二番!
-----------------------------------------------------------
 リリスクのファンならば聞いたことのあるフレーズを繋げられたこの歌詞は、新たな道を選んだhinaへの餞だったのかも知れない。

o0480031713452243715 


 













 【写真はリリカルスクールmeiのツイッターより https://twitter.com/meeeeei01】

 hinaの卒業まで残り二ヶ月。今のメンバーでどこまでステージを引き上げることが出来るのか。
全力で期待しています。

(文:ユリ)