◾︎Shiggy Jr.の"今"と"これから"。



今や飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続けるハイパーポップバンド、Shiggy Jr.が新たな自主企画イベントを行った。

『なんなんスかこれ。』と名付けられたイベントは、その名の通り普段では観られない『なんなんスかこれ。』感満載の対バンでお贈りする企画。その記念すべき第一回目にはヒップホップアイドルグループのlyrical school、生ヒップホップ/ジャズ バンドのSANABAGUNという異色の2組を迎えて行われたが、共に11月の恵比寿リキッドルーム / 横浜モーションブルーのワンマンライブを超満員で大成功を収めている2組だけあって、この企画も見事ソールドアウトを果たした。

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ライブの先攻はSANABAGUN。「俺らがゆとりの代表。平成生まれの生ヒップホップチーム。これがSANABAGUNだ、味わえー!」と恒例の掛け声で口火を切ると、バンドの奏でる濃厚なジャズサウンドが空間を支配していく。そこにLIBERAL(MC)のユーモアに溢れたラップとJOHNNY THE KID(Vo.)の色気すら漂うボーカルが乗ることでSANABAGUNのサウンドが完成していく。
演っていることはすごく硬派で一見マニアックに聴こえるかもしれないが、そこを誰もが楽しめるエンターテインメント性溢れるステージで魅了していくのがSANABAGUNの真骨頂だ。この日もメンバー全員でフリを付けて踊ったり、お客さんに「鯖の缶」と叫ばせたり、笑いすら起こる楽しいステージだった。元々彼らは渋谷の路上出身。(今も毎週月曜日夕方に渋谷でストリートライブを行っている。)ほとんど初見の人しかいない路上で自分たちの音を届ける為には…との結果がこの圧倒的なパフォーマンスなのだろう。始め怪訝な顔で観ていた会場も終盤には笑顔で踊っていた姿が非常に印象的だった。

セットリスト
Sun of a gun Theme
M・S
HSU what
大渋滞
Stuck IN Traffic(jam)
Interlude
B-Bop
WARNING


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続いて登場するのはlyrical school。初の海外ライブ&進出を果たし、その帰国1発目となるライブだ。
ドラムンベースで疾走する『Myかわいい日常たち』で幕を開けると、続いて『おいでよ』『わらって.net』『抜け駆け』とBPMを抑えたゆったりしたステージングで魅せていく。
meiが「私たちはアイドル寄り(笑)ですが、ここに集まってる人は音楽好きな人が集まってると思うので楽しんでいきましょー!」と声を上げると、tofubeats作詞作曲によるキラーチューン『FRESH!!!』をドロップ。続けて『brand new day』『PRIDE』と熱いステージを展開し、本日の主役であるShiggy Jr.へとバトンを繋げた。


セットリスト
My かわいい日常たち
おいでよ
わらって.net
抜け駆け
FRESH!!!
brand new day
PRIDE


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いよいよShiggy Jr.の登場である。この日のShiggy Jr.はアコースティックギター、ホーン隊、コーラス、キーボードをサポートに迎えた合計11人によるスペシャルセット。
普段は同期を使って表現している音を、今回はほぼ全て生音で表現しようという趣旨だ。今までホーン隊を迎えたライブはあったが、ここまで大人数のセットは初めて。それだけに開演前から高い期待を抱いてたが、1曲目『oh yeah!!』の最初の一音を出した瞬間の音の豊かさや、『Baby I Love You』でのモミ(ルルルルズ)による絶妙なコーラスワークを聴いた時、今日は間違いなく良いライブになると確信した。

中盤ではバンド結成初期から演奏されている『やくそく』『サンキュー』『おさんぽ』が続けて披露される。11人による圧倒的多幸感のサウンドはバンド初期に鳴らされていたそれらとは全く異なる印象だった。むしろこれがこの楽曲群の本来の姿なのだろう。バンド結成2年で築き上げてきた力が存分に発揮され、改めて原田(Gt.)のソングライティング力を思い知らされた。

本編ラストはキラーダンスチューンの『Listen To The Music』、エヴァーグリーンな名曲『Saturday night to Sunday morning』と2曲連続で投下。『Saturday night〜』では各楽器隊によるソロパートも飛び出し、最後に相応しい幕引きとなった。

フロアからの熱烈なアンコールで再び登場するメンバー。ドラムのキックが鳴り響き、「fall in love」というコーラスが重なっていく。そしてそのコーラスを客席にも促し、一体感が強くなったところで『Dance Floor』へとなだれ込む。まるでリミックス音源のような導入に思わず声を上げてしまった。

オーラスを飾ったのは小沢健二とスチャダラパーによる名曲『今夜はブギーバック』。
実はこの曲は、原田が女性ボーカルを募集していた際の池田のデモに入っていたのがこの曲だったというエピソードがある。いわばShiggy Jr.の始まりの歌。それを時を経てバンドでカヴァーするというなかなかニクい演出だ。更にラップパートにSANABAGUNの2MCsを迎えるという、この日にしかありえないコラボレーションも加わり、自主企画のラストを盛大に飾り締めた。

セットリスト
oh yeah!!
Summer Time
Day Trip
Baby I Love You
Oyasumi
やくそく
サンキュー
おさんぽ
Listen To The Music
Saturday night to Sunday morning

-en
Dance Floor
今夜はブギーバック


メジャーアーティストのライブへ行くとたくさんのサポートメンバーを従えて活動していることがある。ホールライブを見据えて活動しているShiggy Jr.がこのような形態でライブをするのは必然的なことだろう。今は規模は小さいけれど、新代田でのライブを観た人には確かに大きなホールでライブをしている光景が目に浮かんできたはずだ。それくらい「私たちのやりたいことはこれだ!」とでも言わんばかりの、決意表明のライブだった。

4月28日(火)には『なんなんスかこれ。 vol.2』の開催も決定。どんなアーティストを迎え、また、Shiggy Jr.はどんな未来を指し示すのか。早くも春が待ち遠しい。

(文:ヤット)