◾︎4年間の想いが詰まったシングル

2014-10-28-00-14-14


清純派ヒップホップアイドルtengal6の結成から数えて4年。リリカルスクールのニューシングル『PRIDE』は、これまで「ゆるふわ脱力ラップ」と評されていたイメージを打ち破る力強いナンバーだ。

冒頭からA Tribe Called Questの「Can I Kick It」の引用から始まり、「私は私と胸を張っていたい」「時代はいずれ変わる ならこの手で変える」といったヒップホップらしいセルフボースティングなリリックとなっている。リリックを提供したのはtengal6の結成から側で見守り続けた岩渕竜也。彼だからこそ書けた内容のリリックになっているので是非注目して欲しい。

一方でこの曲に戸惑う声もある。
確かに今までヒップホップをベースにしつつもアイドルに寄せていた今までの曲と比べたらヒップホップ色が強いし、こういう曲だったらフィーメールラッパーの曲を聴けばいいという声があるのもわかる。
ただ、僕はこの曲はリリカルスクールにしか歌えない1曲になってるからこそ意味があると思っている。
アイドルとしてもラッパーとしてもド素人の女の子が集められ、「脱力ラップ」だ「ラップが下手くそ」だのなんだかんだ言われ続けながらの苦節4年。今となってはラップは以前にも増してグッと力強いものになってるし、スキルもそれなりに上がってきた。そこでドロップされた今回の新曲。これは曲にスキルが追いついてきたという判断がなければ決してリリース出来ない1曲だ。そして、こうしてアイドルラッパーとしてセルフボースティング出来るのも4年という歳月があったからこそだ。ポッと出のアイドルグループが同じように「自分が自分であることを誇る」なんて歌ったとしても説得力はない。ここまでやり続けたリリカルスクールだからこそ説得力のある曲として聴ける。

また、リリスクは今年から『brand new day』『FRESH!!!』とシングルのタイトルが指し示す通り、なにか新しい形を提示しようとしている節がある。実際今まで印象的であったTシャツ&ショートパンツの衣装も変えたりと、様々な環境が変わってきている。
今回の『PRIDE』もヒップホップ色の強い側面を打ち出すことで、リリカルスクールの世界観を広げる布石になるのではないだろうか。
今回のシングルの意味合いはそういったところにあるだろう。

『PRIDE』の話が長くなったが、カップリングの『抜け駆け』は今までの路線も踏襲したアーヴァン・ポップなトラックにガーリーなリリックを乗せた可愛らしいナンバーなので今までのファンもご安心を。
それにしてもトラックの提供は謎の台湾人トラックメーカー、エビー・イーストということになっているが、一体何者なのだろうか。(明らかにカニエ・ウェストを意識してる名前なのも気になるポイントだ。)

また、初回盤6形態には現メンバーでの再録希望の声も多かったtengal6時代のナンバー『プチャヘンザ!』『photograph』『tengal6』『まちがう』『Akikaze』『しってる / しらない』がそれぞれ収録されている。こちらも要チェック。

lyrical school『PRIDE』


A Tribe Called Quest『Can I Kick It』


(文:ヤット)