6/8 lyrical school live event「brand new day」@渋谷SOUND MUSEUM VISION

act

Live: lyrical school , LITTLE , ROMANCREW , ライムベリー

DJ: tofubeats , okadada

6月8日(日)にヒップホップアイドルのlyrical schoolが「brand new day」ツアーファイナルを開催した。

このイベントは昨年11月に餓鬼レンジャーやイルリメなどリリスクに縁の深いアーティストを招いて行われた「date course」ツアーファイナルを継承したイベントで、今回もLITTLEやロマンクルー、同じヒップホップアイドルのライムベリーなど強力なメンツが顔を揃えた。チケットは前売りで完売ということからもリリスクへの期待やイベントの注目度の高さが伺えた。



まず一番手に登場したのはライムベリー。三人体制になって戻ってきたことを告げる新曲『WE ARE BACK!』で幕を開けると『SUPERMCZTOKYO』『まず太鼓』とキラーチューンを連打し、のっけから会場を揺らしまくる。「この日を楽しみにしてた!」とにこやかに伝える三人。その表情からはまたこうしてリリスクと共演出来ることが本当に嬉しいという気持ちが伝わってきた。

終盤ではこの日初お披露目となる新曲『IDOL ILLMATIC』を披露。コール&レスポンス、クラップ、全員でジャンプなどライブ映えするギミックがたくさん詰め込まれており、初のお披露目にもかかわらず大いに楽しませてくれた。

ラストは『R.O.D(HARD ver.)』。一見普通の『R.O.D』だが、曲の終盤に「『RAP OR DIE』!つまり『RHYMEBERRY OR DIE』!お前ら生き残れー!」と2MCが告げると曲はガバ展開(BPM160~300くらいのハードコアテクノのような音楽)をみせ、嵐のような爪痕を残して去っていった。

setlist

M1.WE ARE BACK
M2.SUPERMCZTOKYO
M3.まず太鼓
M4.フロム東京
M5.IN THE HOUSE
M6.アンサーアンサー
M7.MAGIC PARTY
M8.IDOL ILLMATIC
M9.R.O.D(HARD ver.)


ライムベリーのハードコアな熱気のあとにケツメイシの「夏の思い出」という爽やかな風を吹かせたDJオカダダ。

クラブミュージックもJ-POPも彼なりの解釈で次々に投下しフロアを湧かせる。途中「リミックス作ってきたぜー!」と高らかに告げた『WOW♪』のリミックスがサンバのようなダンサンブルな仕上がりとなっていてとてもよかった。(のちにこれはリリスクの次のシングルに収録されることが判明!やった!)



「僕、大好きなんです!」とオカダダに紹介されてステージに表れたのはロマンクルー。

アルバム「トラジコメディ」と同じく『3"』の骨太なラップでフロアに切り込む。アイドルファンの前でライブをするということで、直前までTwitterで不安そうなつぶやきをしていたロマンクルーだったが、始まってみればアウェイのアの字も知らないくらいの盛り上がり。2曲目の『そしてまたピーチ姫はさらわれる』ではフックの合唱が起きるほどだった。

「俺たちがbrand new dayのアイドル枠。ロマンクルーだ!」と笑いをとると「次の曲は俺らの曲でも振り付けがあって、アイドルファンの人はステージの人の動きを一緒にやってくれる…そうでしょ!」とフロアを煽り『OYMRJ』をドロップ。少し早くて複雑な動きのOYMRJの人文字を、皆一生懸命にフリコピをして楽しんでいた。

中盤、ALI-KICKがおもむろに語る。「ラップっていうのはまだ50年しか歴史のない新しい音楽なのよ。その中でいろんな派生があって、で、日本で生まれたのがリリスクやライムベリーのような存在でしょ。こう…別ジャンルといっちゃうとまた違うけど…こうモヤッとした…わかるでしょ?やっぱそのシーンの先頭に立ってるといろいろあると思う。俺らも15年やってきていろいろ見てきたからわかる。上からの声があったり、ネットの声があったり、メンバーの脱退があったり。…だからファンの皆さん、支えてあげてください。」
「15年続けてきてなにが一番嬉しいかって、それは今ステージにたってること、こうしてあなたたちと出会えたことなんです。リリスクもライムベリーも、10年、20年と続いていくようにエールを込めて。『トラジコメディ』。」

知ってか知らずかわからないがALI-KICKはこう投げかけた。リリスクもライムベリーも共にメンバーの脱退を経験し、またラップアイドルという特殊性から批判的な声を受けることも少なくない。このMCはそれを汲んだのかは定かではないが、ここで歌われた『トラジコメディ』は確実にフロア、そしてアイドルの心にも届いたのではないだろうか。



setlist

M1.3"
M2.そしてまたピーチ姫はさらわれる
M3.飛び出すラップ
M4.OYMRJ
M5.毒皿
M6.御冗談
M7.トラジコメディ
M8.ストロングストロング・マインド
M9.Magic Number



続いて我らがtofubeatsのDJが始まる。最近ますます勢いづいているだけにフロアは超満員。踊るスペースを確保するのがやっとなほどだ。そんな状況もあってか、tofubeats自身の曲がかかった時の盛り上がりが凄まじい。ラストにかけた『ディスコの神様』はアンセムと呼ぶに相応しい響き方だった。この日は50分というロングセットの中、頭から終わりまでフロアの熱量を下げることなく次のLITTLEへとバトンを繋いだ。



「東京の一番小さなMC」との異名を持ち、日本語ラップを一躍メジャーフィールドまで持ち上げた伝説的ヒップホップグループ「KICK THE CAN CREW」のメンバーの一人、LITTLEがオンステージ。貫禄たっぷりに『all you need is MUSIC』を歌いあげると、続け様にSUPER BUTTER DOGのカヴァーでもある『FUNKYウーロンハイ』を披露。「ウーロン!ハイ!」のコールアンドレスポンスもバッチリ決まり「いつも楽屋にはウーロンハイを用意するように言ってるんですが、ここのウーロンハイは一番濃いぜ!さすがVISION!」とご満悦な様子。

MCでは「今回リリスクに歌詞書いてくださいって言われて…歌い分けとかあるんだろうなと思ったから、ここはいつもの感じで、ここはちょっと引っ込み思案で、ここは韻固めでとかやって…そしたらなんか違う自分が出て来たって言うかさ。あの頃、妹と一緒に『別マガ』読んでた自分が出て来たり(笑)ありがとうございます!女の子の歌詞書くの超楽しい!」とリリスクへの感謝を述べた。

その後は1stソロALのオープン二ングナンバー『Mr.COMPACT』、LITTLE流ラブソングの『夢のせい』『愛はある』、ラストの『Don't worry Be happy Go lucky』と続けて披露。独特な愛嬌のある声、韻の響きを重視したライミングは「LITTLEここに在り!」と言わんばかり。風格たっぷりのライブだった。



setlist

M1.all you need is MUSIC
M2.FUNKY ウーロンハイ
M3.Mr.COMPACT
M4.夢のせい
M5.愛はある
M6.Don't worry Be happy Go lucky


そんなHIPHOPシーン諸先輩方の熱いメッセージを受けて、リリカルスクールはどう挑むのか。フロアの密集度も更に高くなり、いよいよメインアクトの登場である。

結果から言ってしまえばリリスクはノンストップ12曲連続披露で挑んできた。今までのようにショートチューンで繋いで…というのではなくほぼほぼフルコーラスをDJセットによる繋ぎとスキットを使いながら12曲を丸々繋げるという気合の入れっぷり。『S.T.A.G.E.』『プチャヘンザ!』などの鉄板キラーチューンはもちろん、中盤には『でも』『P.S.』といった曲でしっとりと聴かせ、ラストは『photograph』『brand new day』で盛り立てるといった緩急をつけたセットリストでフロアを湧かせた。

本編終了後にはメンバーから7月にニューシングル「FRESH!!!」がリリース決定との一報が告げられる。夏に向かってまた一層の期待を膨らませ、ステージを後にした。

アンコールを求めるヘッズ達の声が鳴り響くと会場全体が緑色のサイリウム1色に染まる。6月5日にhinaが18歳の誕生日を迎えたことを受けて有志が実行したものだ。

そんな中、ayakaがサングラスを持って登場する。そうとなればもちろんあの曲、『そりゃ夏だ!』だ。まだ6月だが、この会場の熱気の高まりは早くも夏の到来を先取りしたかのような盛り上がりだった。

曲の終わりにamiが「あ~足がつった!」とmeiに抱えられ、わざとらしく退場。ケーキを持って再登場し、ヘッズと共に盛大にhinaの誕生日をお祝いした。

18歳を迎えてhinaは「誕生日当日はメンバーさんと仕事だったんですよ。だから自分の誕生日っていうよりもメンバーさんと仕事っていうことのほうが大きくて。自分でもそれだけリリスクが大切な存在になってるんだなって。そんな大切になっているリリスクをもっと膨らませていきたいので…皆さんついてきてくださーい!いーち!にー!さーん! ダー!ハッスルハッスル!」というhinaらしい言葉で締め括った。

またこの日が誕生日だったリリカルスクールのキムプロデューサーもメンバーからサプライズで祝われる。抱負を聞かれたキムプロデューサーは「…まぁ夏を経てそのうちアルバムとか出ると思いますし、そしたら曲もいっぱいあるし、アルバムを引っさげていろんなところに、まだ行ったことのないとことか、行ってみたいですね。」と今後が楽しみになる発言も飛び出した。

ラストは「客席に降りて歌いたい」とのメンバーからの要望でフロアライブでの『おいでよ』。そこにあるのはメンバー、ヘッズの歌声とハンドクラップのみ。トラックは使わず、あくまでアカペラで歌い切った。

今、なにかと騒がれるファンとメンバー間の警備強化。本来お互いの信頼関係で成り立っているものだが、例の事件がきっかけでバランスが崩れてしまった。イベントを開催したくとも危険とリスクの前では開催できない。そんな状況が続いてしまった。

「それでも私たちはあなたたちを信じてるよ。」

この日のリリカルスクールにそのようなメッセージがあったのかは定かではない。だが、ファンとほんの何十センチ先で歌うメンバーの笑顔には「もう一度、ファンの人を信じてあげてはどうか。」と大人を説得するような力があった。『おいでよ』を聴きながら、また早くアイドルとファンの交流が元に戻ることを願わずにはいられなかった。

こうして生誕に始まった温かなアンコールは、最後まで人と人との繋がりを強く感じさせたまま幕を閉じた。


setlist

M1.brand new day (short ver)
M2.S.T.A.G.E
M3.プチャヘンザ!
M4.fallin'night
M5.でも
M6.P.S.
M7.Sing,Sing
M8.ピアノSE~リボンをきゅっと
M9.Maybe Love
M10.photograph
M11.brand new day

EN1.そりゃ夏だ!
EN2.おいでよ(アカペラ)


今回も大成功に終わったリリスク主催イベント。次はどんな『FRESH!!!』なメンツが集うのか楽しみだ。今後もリリスクから目が離せそうにない。


(文:ヤット)