2013年もすでに半分終了。今年もまた数々のトピックや名盤が生まれた。
ここでは『musicoholic』メンバーに2013年上半期に印象に残った3枚を選んでもらった。
まだ聴いていない一枚があれば、是非チェックして欲しい。


the HIATUS『The Afterglow Tour 2012』

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昨年末に行われたオーケストラを含むthe HIATUS17人編成によるホールツアーの模様を収録したライブCD。
ライブCDなので聴く人を多少選ぶが、ライブの空気感、楽曲のアレンジ、各個人のプレイなどどれをとっても至高の一言。オーケストラをバンドの外付け的役割ではなく、一つのバンドとして組み込まれた楽曲編成になっているのが最大のみそ。共に音を鳴らすということを見事に体現している。
そして細美武士の頭の中で鳴っている音を全て再現するとこんなに幻想的で壮大な世界観になるなんて!ということを思い知らされる。一体彼の頭の中はどうなってるんだろうか。深い。深すぎる。
更に更に、これを聴いちゃうと次回作一体どうなっちゃうの!?細美さんどこいっちゃうの!?そんな今後も大いに期待させるthe HIATUS最新の最高傑作。




tofubeats『lost decade』

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間違いなく2013年の大きなトピックスの一つ。今最も注目のトラックメーカーtofubeats待望の1stアルバム。若干22歳の若者がiTunes総合チャート1位、全国CDショップでも売り切れ続出、再入荷待ちといったセールスを叩き出したことは記憶に新しい。
トラックメーカーのアルバムだけにJ-POPからヒップホップ、ブレイクビーツなどと多岐に渡り、一見バラバラなジャンルの集まりに聴こえるが、全てtofubeatsという世界観で統一されている。
また僕らと同世代ならではのtofubeatsの「歌詞の世界観」も一つの魅力ではないかと思う。

『i-pod i-phoneから流れ出た 
データの束いつもかかえてれば
ほんの少しは最先端 
街のざわめきさえもとりこんだ』(水星)

『ラブソングって一体なんだろう
あのコのこと目に浮かんだよ
うまくいっているかな 大丈夫かな』(夢の中まで)

こうした僕らのちょっとした心理描写から、『そわそわそ』(SO WHAT!?)だったり『中高6年間男子校だから空想をしてたよ女の子』(Les Aventuriers)といったフックになるようなフレーズまでtofubeatsの言葉は僕らの耳を掴んで離さない。それが心地よいビートに乗って耳にすっと入ってくるのだから聴きやすいったらありゃしない。
クラブ好きからヒップホップヘッズ、アイドルヲタまでも巻き込みながら転がり続けるtofubeatsに下期も注目だ。




ill hiss clover『Dance In The Clover 2』

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最後に紹介するのは僕個人的に要注目しているバンド、ill hiss clover(アイルヒスクローバー)。通称ヒスクロとの相性で親しまれ、東京を中心に活動している4人組。2011年、タワーレコードの新人バンドオーディションのファイナリストとしてデビューし、早耳な邦楽リスナーが集う『ロックの夜明け』や『ピストルディスコ』などのイベントにも出演している。
そんなヒスクロの今年2月にリリースした2ndミニアルバムがめちゃくちゃ良い。
the band apartなどに代表されるカッティングを多用したサウンドに、オートチューンなどを使ったエレクトロの要素が混ざり合い、最高のダンスミュージックに仕上がっている。
1stミニですでにそのスタイルは確立していたが、今作では楽曲がより肉体的になり、ダンスミュージックとしての役割を十二分に果たしている。M-1、2などの曲に踊り狂うのも良し、M-4のベースラインに酔いしれながらユラユラ揺れるのもまた良し。
まだ踊り足りない奴はヒスクロを聴くべし。



(文:ヤット)