lyrical school『リボンをきゅっとツアー』観戦記


あれはいつ頃だったろうか?
確か『リボンをきゅっと』ツアーの直前のことだ。
ライブ終了後、メンバーがTwitter上で次々と悔しさを口にした。こんな感情を剥き出しにするのは今まで僕が見てきた中で初めての出来事であった。なにが起き、彼女らの中でなにがあったのか。
そしてそれは『リボンをきゅっと』ツアーで見せた彼女らの進化のきっかけとなる出来事だった。


■tengal6からlyrical scoolへ。


2012年。
思えば今年はリリスクにとって激動の年であった。
清純派ヒップホップアイドルグループとして誕生した『tengal6』からグループ名を『lyrical school』に改め、所属レーベルもタワーレコードのアイドル専門レーベル『T-Palette Records』に移籍。移籍第一弾シングルの『そりゃ夏だ!』はヒップホップを踏襲しつつも、アイドル感を高めた新機軸の楽曲となり話題を呼んだ。
そして今回リリースされた『リボンをきゅっと』でもその路線は踏襲され、今までになかった激しいダンスまで披露している。
lyrical schoolに改名して以来『歌って踊れる』ならぬ『ラップして、踊れるアイドルグループ』という方向性がより顕著になり、新たなファン層を獲得してきている。

そんな彼女らの最新シングルを引っさげたツアー。リリカルスクールとして、どんなライブを見せてくれるのだろうかと楽しみにしていた時に事件は起こった。

ライブ終了後、メンバーのamiが深夜にこんなツイートを書き綴った。

「見た目、一番リリスクに興味なさそうにみえたり、一番アイドルっぽくなかったり、一番自分の外見に自信なくて凹む事もあるけど…リリスク本気だよ!踊ったり歌うのも、もっと好きになったし!届けたいって思うよーになった!だから、ステージでは…誰よりも輝いてる気でやってる。
amiだけが、輝きたいよりも…6人で輝きたい!って思うんだよね。もちろんamiを推してくれる人増やしたいって思うよ!ふわふわしてるよーに見えるけど、悔しいって思うしもっと!って思うし!みんなが思ってるより、わがままだし、かまってちゃんの末っ子だし、負けず嫌いだし…口下手で無茶振り苦手で面白くないかもしれないけど…熱い熱い思いだけはあるんだよって事が伝えたかったの!!
こんな、わかりずらいamiを応援してくれてるヘッズのみんなありがとう。感謝してます。amiは、ヘッズが好きでリリスクが大好き♡最後に笑ってた人が勝ちだよね \・ω゜/」

この日、なにがあったのか窺い知ることは出来ない。
こんな気持ちを吐露するとは、よほどのことがあったのか。
だが、この日の出来事を境にメンバーは「もっと上に行きたい!」「成長したい!」との気持ちを表に出すようになった。
今、彼女らは名実共に変わろうとしている。


■そしてツアー開幕。

12月11日。
『リボンをきゅっと』ツアーが開幕した。約2週間で関西圏も含めた13箇所を回るハードなツアーだ。
変化を遂げようとしている彼女らのライブは絶対に観るべきだと思い、なんとかスケジュールを調整できたのはちょうどツアー中盤戦にあたるダイバーシティーでのライブだった。

12月15日。
この日はあいにくの雨模様。せっかくの野外だというのに冬の寒さも手伝って、外でライブを見るのには似つかわしくないシュチュエーションだ。
野外に設置された特設ステージはスタッフが懸命に水はけをするもびしょ濡れであるし、観客もあまり多くはない。

そんな中、リリスクメンバーが姿を現した。
瞬間、その姿に驚いた。

なんと彼女ら、裸足である。

ステージが滑るからという理由なのか、こんな真冬の野外(しかも雨!)に裸足でライブを行う。
もうそれだけで心を打たれてしまった。と同時に「やはり今のリリスクはモードが違う!」と確信した。

その確信通り、これまで観た中のライブでもかなり気合の入ったステージングで、ステージから降りて遠くのファンの元まで行ったりと大暴れ。『お風呂上がりの子供たちが暴れてるみたい!』と表現するといつぞやのリリーフランキー氏のようになってしまうが、そんなことまでも感じさせてしまうライブだった。

12月16日。
昨日のお台場での勢いのまま行われた新宿のタワーレコード内でのインストアライブも大盛況であった。
日曜日の新宿だけあって大勢のお客さんが詰めかけ、それに対し攻めに攻めたセットリストで応え、見事にフロアを大きく揺らした。

こうして見ると春の頃とはかなり状況も変わったなと思う。
tengal6として1stアルバムリリース時にも同じタワレコ新宿でインストアライブがあったが、ここまでお客さんが飛び跳ねたり、全力でケチャを捧げたりすることはなかった。現場の熱量が断然違うのだ。
それは盛り上がる楽曲が増えたのも要因の一つだが、一番変わったのはメンバー一人一人のライブにおけるファンへの接し方だ。

お客さん一人一人としっかり向き合い、時に煽り、一緒に踊らせる。

『一人でも多くのお客さんに届くように。そして一人でも笑顔にするために。』

ライブを観ていてそんな気持ちがヒシヒシと伝わってくる。
時折織り交ぜるフリースタイルだってそうだ。本当にヒップホップ好きな人からは「あんなのフリースタイルじゃねぇ。」とディスられるだろうけど、あれも『即興で高度な韻なんて踏めないけど、即興でやることでお客さんが喜んでくれるならなんだってやってやる!』という気持ちから来るものなのだろう。

そんなメンバーの気持ちも伝わってか、多くのお客さんが笑顔でイベントをあとにしていた。


12月24日。
クリスマスイヴ。
ツアーファイナルは大宮ステラタウンにて行われた。
ここのライブは格別だ。なんていったってイベントを主催しているバンダレコーズ大宮ステラタウン店の店長は大のリリスクファンであり、なんとこのツアー全通するほどだ(笑)
この日もリリスクの為にステージに特設セットを用意して、リリスクを迎えた。

そんな最高のお膳立てとツアーファイナルが合間ってリリスクメンバーは気合十分。
普段はmeiが率先してフリースタイルに挑戦しているが、この日は他のメンバーも思い思いにラップ。アドリブを入れる度にファンは歓声を上げ、自然と笑顔になっていく。
これがリリスクのライブ魅力だ。
彼女らから発せられるポジティブなエネルギーや想いを、ラップという「言葉」に乗せ、僕たちにダイレクトに伝えてくれる。
そんな魅力が十二分に発揮された良いライブだった。
この魅力を更に高いスキルのラップやダンスで伝えていくことが出来たら、本当にすごいグループになるだろう。
そんな未来を予感させるツアーファイナルであった。


■2013年。リリスクを待ち受ける試練。

今年、大きな変化、そして飛躍を遂げたリリスクだが、来年には更なる変化、そして試練が待っている。

すでにアナウンスされている通り、1月26日でメンバーのmarikoの卒業が決定されている。

リリスクにとって大きな1ピースが欠ける。
その時、リリスクは一体どうなってしまうのか。
そして気になる新メンバーは一体どんな人物なのか。

この状況はリリスクにとってかなり危機的な状況だ。
だが、この機会をうまく乗り越えればグループとして更なる飛躍を遂げるだろう。
メンバー、スタッフ、そしてヘッズ(ファン)で力を合わせ、逆境をチャンスへと変えて欲しい。

そしてmarikoの在籍するライブも残りわずかだ。
今のリリスクの持っているグルーヴは本当に力強く、どんな時だって僕らを笑顔にさせてくれる。
1月26日は現状のメンバーでの集大成ライブ。ここまでの2年間の全てを詰め込んだ、今のリリカルスクールの完成形のライブを観せて欲しい。

最後のライブは渋谷VISIONという大箱で行われる。
ヘッズはもちろん、リリカルスクールを少しでも気になっている人は是非、足を運んでこの6人の姿を目に焼き付けよう。


2013.1.26(sat.)
lyrical school oneman live 2013 Vol.01
mariko卒業「君にも書いたよ招待状」

OPEN 15:00 / START 16:00

¥3500(1D ORDER ¥500) ADV.
¥4000(1D ORDER ¥500) DOOR

info.
http://www.vision-tokyo.com/event/lyrical-school-oneman-live-2013-vol-01


(文:ヤット)