■レゲエパンクバンドとして更なる進化を魅せた1枚

もはやラウドシーンの中核を担っているSiM。
前作「SEED OF HOPE」で高い注目を集め、今作はその後のリリースということもあってCDショップでもかなりのプッシュされている。

今作で注目したい点は「レゲエ要素」が増えたこと点だ。
SiMの1stアルバムを聴いていただければ分かると思うのだが、元々はレゲエをベースにハードコア、パンク要素を取り入れたバンドであり、レゲエを非常にリスペクトしている。

2ndアルバム「SEED OF HOPE」ではその色はかなり薄まっていて、ONE OK ROCKやcoldrainを代表するようなラウドシーンの中の1枚という印象を受けた。

しかしメンバーはインタビューにおいて、「お客さんに伝わりやすくするためにメロディをレゲエにしてみたり、裏打ちを入れてみたり手法を変えた。」との旨を説明している。
確かに1stはラウドな展開から転調してレゲエやスカが入ってきたり、その逆もあったりと異なった曲が合体した印象はあった。

今作においては、よりレゲエの色を出しながらも曲が分離しているのではなく、自然な1曲の中のフレーズとして上手く使われている。
特にリード曲に使われている「Amy」はラウド曲としての良さと、随所に散りばめられたレゲエフレーズが良いアクセントとなった良曲だ。これこそSiMの伝えたいことなのだろう。YouTubeでPVも観れるので是非聴いて頂きたい。

ツアーファイナルでは恵比寿リキッドルームでワンマンを行うSiM。彼らの勢いはますます加速すること間違いないだろう。
ライブもカッコいいので、少しでもピンと来た人はその雄姿を目に焼き付けに行こう。