■ももクロの努力が日本を救う日

自分はこれまでの人生で努力したことはどれだけあるのだろうか。受験、就職活動、趣味、バンド……人によって努力してきたことは様々あるだろう。人は努力することによって人生を切り拓き、未来を創っていく。よほどの天才でもない限り努力がなければ明るい未来はないのだ。
けれど、努力ってそんなに簡単にできない。やる気もいるし、根気もいる。それを続けるのは疲れるし、逃げたくなる。「頑張らなきゃ…」とは思いつつも体は動かないもの……。

そんな中アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の努力する姿が人々の共感を呼んでいる。
ももクロというグループは「常に全力」で物事に取り組む姿勢をみせるグループであり、その姿に心惹かれる者も多い。例えばライブでは激しい振付の曲を何曲も連続で踊り、息を切らしながらMCをしているし、バラエティ番組に出ればアイドルとは思えないほどの全力な変顔を披露したりする。
そして運営の出してくる無茶ぶり(9mmなどが出るロックイベントで唯一アイドルとしてライブしたり、初ホールライブから1年でさいたまスーパーアリーナに挑戦させられたり)に対しても全力で立ち向かう。「なぜそんなに頑張れるのか。」彼女らの姿を見て人々は感銘を受けるのだ。

このような彼女らの姿勢は楽曲の中にも顕著に表れている。


逆境こそがチャンスだぜ 雨も嵐もさぁ来い カラダ張りまくり(ピンキージョーンズ)

本当の情熱やピュアなシンパシーも のほほんと歌ってたら刺さんないや(chai maxx)

誰のためでもなく努力し続ける意味をちゃんと知ってる 全てが無駄じゃなく力になるってことを皆で証明しようぜ(コノウタ)


ここで紹介したのはほんの一例だが、ももクロというグループはアイドルソングにありがちなリスナーとの疑似恋愛を想起させるような楽曲は少なく、むしろアイドルとしての矜恃を高々と歌う。(大人が作詞してるとはいえ)その半ドキュメンタリー的な歌詞にリスナーは励まされ、自分と重ね合わせる。

「あのコらはこんなに頑張っている。自分も頑張ろう。」

そういう気力が湧いてくるのだ。そして彼女らの夢を応援したくなってくる。なんだか全国大会に出場している部活動を応援しているようだなぁ…と思うこともしばしば。(実際ももクロのライブ自体もかなり体育会的なノリだ。)

こうしたことはアイドルにしか歌えないことなんだろう。
ロックバンドは努力をみせないほうがカッコいいという風潮があるし、ラッパーが「スキル磨く」とラップしたところで一般人にはリアルがない。(実際皆様すごい努力されてるみたいですけどね…汗)
アイドルだからこその「努力讃歌」、アイドルだからこそのポジティブな発信力があると思う。

1999年頃の不景気な時代を盛り上げてきたのはモーニング娘。だった。
ますます混迷な世の中となった現代において「アイドル戦国時代」と言われているのは、やはり人々がそういうアイドルのポジティブな力を求めているからなのかもしれない。
「日本頑張ろう!」と歌ったモー娘。のように、ももクロの努力する姿に日本が救われる日もそう遠くない。